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| 地方自治・憲法 |
| 選挙制度 日本の選挙制度は公職選挙法で細かく決められていて、4つの原則を持つ。納税額に関係なく投票できる普通選挙の原則、投票を人に頼めない直接選挙の原則、ひとり1票の平等選挙の原則、無記名投票による秘密選挙の原則である。 選挙の方法には選挙のための区域を作り、立候補者の名前を投票用紙に書く選挙区制の選挙と、投票用紙に政党の名前を書き、政党の投票率に比例して、当選者を決める比例代表制の2つがある。 選挙区制の選挙にはひとつの選挙区から一人を選ぶ小選挙区制と2人以上を選ぶ大選挙区制がある。小選挙区制はむだとなる票である死票がでやすいが2大政党制で政治が安定しやすく、大選挙区制は多くの少数政党からも議員が出やすいが、費用がかかりやすい。 地方自治@ 選挙の問題点として、当選するために必要な票数が地域によって異なる1票の格差がある。10票で当選できる地域は100票で当選できる地域に比べて、1票の価値が重いという。 政治には国の政治と県、市などで行われる地方の政治があるが、地方の政治は住民の責任で進められるため、地方自治という。具体的には地方自治法で細かく定められている。 地方自治を行う県、市、町、村などの場所を地方公共団体といい、さまざまなことを決定する地方議会と実際に行政をする執行機関の2つで構成されている。東京都では地方議会は都議会、執行機関は都庁である。 地方自治A 地方議会の議員は選挙で選ばれ、25歳から立候補でき、任期は4年であり、解散がある。執行機関の最高責任者は首長といい、具体的には県知事、町長などである。首長は選挙で選ばれ、任期は4年であるが、知事は30歳からその他は25歳から立候補できる。 首長である知事の下には副知事と会計担当者として出納長がおり、市町村長の下には助役と会計担当者として収入役がいる。 神奈川県だけや渋谷区だけなどのように、一部の地方公共団体でしか適用されない決まりを条例といい、首長が条例案を作り、地方議会が多数決で制定(決定)し、首長はその条例に従って政治を行う。 地方自治B 地方公共団体の来年度の収入と支出の見込みを予算といい、首長が予算案を作り、地方議会が多数決で決定し、首長がその予算に従って政治を行う。 議会は首長の政治に不満があるときは、首長に対して不信任の決議をすることができる。この場合、首長は10日以内に議会を解散することができる。 地方公共団体の住民は地方議会の議員や首長を選挙で選べるだけでなく、署名を集めて、様々なことを請求することができる。これを直接請求権という。これは国の政治にはなくとても民主的であるので、地方自治は民主主義の学校といわれる。 直接請求 住民が直接請求権を使ってできることは4つあり、条例の制定や廃止の請求、議会の解散の請求、首長や議員などの解職の請求、地方公共団体の仕事と会計の調査、公表を求める監査請求がある。特に解職の請求はリコ-ルと呼ばれる。 直接請求に必要な署名の数は、解職と解散は20歳以上の住民の3分の1以上、その他の請求は50分の1以上である。また、署名の提出先は解職と解散は選挙管理委員会、条例関係は首長、監査関係は監査委員である。 地方財政@ 県などの地方公共団体の収入の中で大きいものは3つあり、収入の約40%を占める国からの援助、約30%を占める税金、約10%を占める地方の借金である地方債である。 地方公共団体に入る税金を地方税と呼び、企業に課される事業税、人の給料などに課せられる住民税、土地や建物に課される固定資産税がある。 地方財政A 地方公共団体の収入の中の国からの援助には2種類あり、使い道を国が指定する国庫補助金と使い道が指定されない地方交付税交付金がある。 地方公共団体の支出のうち大きいものは2つあり、道路工事などの土木費と学校関連の教育費である。両方とも支出の約20%を占める。 憲法の3本柱 日本国憲法は戦争終結の翌年1946年11月3日公布(発表)、翌年の5月3日から施行(実施)された。公布の日と施行の日を記念して、それぞれ文化の日と憲法記念日になった。 この憲法には3つの大事な柱があり、国民が政治の最終決定権を持つという国民主権、国民の権利を重視するという基本的人権の尊重、永久に戦争を放棄するとした平和主義である。 日本国憲法では国民主権であるが、大日本帝国憲法では天皇主権である。天皇は日本国憲法では日本の象徴とされていて、憲法に定められた国事行為だけを内閣の助言と承認のもとで行えることとなっている。 基本的人権@ 天皇の国事行為には、選挙の公示、法律の公布、国会の召集、衆議院の解散(解散を国会で発表)、外国の大使の接受、総理大臣と最高裁判所長官の任命などがある。 日本国憲法では国民すべてが基本的人権は持つとされ、侵すことのできない永久の権利とされている。また、基本的人権は公共の福祉(社会全体の利益)のために利用すべきと書かれている。 基本的人権は大きく3つに分けられる。国民がもっとも古くから獲得してきた自由権、すべての国民は個人として尊重される平等権、人間らしく生活するための社会権の3つである。しかし、この他に、人権を守るための権利と新しい人権の2つもある。 基本的人権A 自由権は3つに分けられる。ひとつ目は苦役(強制労働)や不当な拘束などからの自由からなる身体の自由。二つ目は思想、学問、信教(宗教に関する)の自由からなる精神の自由。3つ目は引越しや職業選択の自由からなる経済の自由である。 ただし、社会全体に不利益をもたらすような、公共の福祉に反する自由権は、認められないとしている。 平等権は、法で約束された人種、出身地、男女の別などでは差別されないとする法の下の平等が約束されている。特に男女の就職のチャンスの平等は男女雇用機会均等法で更に細かく規定されている。 基本的人権B 社会権は更に3つの権利に分かれている。ひとつは憲法25条に書かれている生存権である。この権利によって、日本国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が保障されていて、老人になったときに年金がもらえるなど、社会保障を受けられる。 社会権のふたつめは義務教育(小、中学校の九年)は無償とする教育をうける権利である。 社会権の3つ目は国民の働く権利を国が保障する労働する権利である。この権利を守るため、憲法では更に、働く人が組合を作れる団結権、組合で会社の経営者と話し合いができる団体交渉権、ストライキなどで要求を通すことのできる団体行動権が保障されている。 基本的人権を守る権利 自由権、平等権、社会権などの基本的人権を守るために、憲法では国民に、政治に参加して人権を守れるように参政権と、権利が侵されたときに裁判所などに助けを求められる請求権を保障している。 参政権はさらに、代表者を選べる選挙権、立候補できる被選挙権、憲法改正のときの国民投票権、最高裁判所の裁判官に対する国民審査の権利などに分かれる。 請求権はさらに、自分の要望を国に願い出ることのできる請願権、無罪の判決を受けた場合の刑事補償請求権、公務員の不法行為で損害を受けたときの損害賠償請求権などに分かれる。 新しい人権 社会の進展にともなって、憲法には書かれていないが、社会的に認められている新しい人権があり、快適な環境で生活できる環境権、国や企業に情報の公開を求められる知る権利、個人の私生活を他人に知られないようにするプライバシーの権利がある。 環境権はさらに建物の日当たりを確保できる日照権、たばこに対する嫌煙権などに分かれる。また、環境権によって、公共工事が自然破壊につながらないか事前に調査することを定めた環境アセスメントが行われている。 知る権利によって、情報公開法が、また、プライバシーの権利によって、個人情報保護法が作られた。 平和主義 日本国憲法は平和主義を前文と9条で定めている。9条には永久に戦争を放棄すること、戦力を持たないこと、戦争をするための交戦権がないことが書かれている。 核兵器については、憲法などには書かれていないが、国には非核3原則の方針があり、核兵器は持たない、作らない、持ち込ませないことになっている。 自衛隊については憲法9条は国の防衛を否定していないとする意見と、戦力であるので憲法違反とする意見とがある。 憲法その他 国民は基本的人権を保障されているかわりに、憲法で3つの義務を課されている。税金を納める納税の義務、働ける状態にある場合には働かなければいけない勤労の義務、教育に関する教育を受けさせる義務である。 憲法を改正するためには総議員の3分の2以上の賛成と国民投票による国民の過半数の賛成が必要である。 |